B型肝炎給付金の排斥期間とは?

排斥期間とは、給付金を請求する権利が消滅する事をいいます。
民法によると「不法行為の時」(今回の場合はB型肝炎ウィルス感染とします)から20年経過すると、不法行為に対して損害賠償を請求する権利が消滅してしまいます。

つまりB型肝炎を発症してから20年で給付金請求できる権利が失われるということです。

排斥期間はどこからカウントするの?

損害賠償請求権が消滅してしまう「排斥期間」は20年ですが、B型肝炎給付金の場合はどこからカウントされるのでしょうか。
これにはB型肝炎の感染経路や症例によって種類がありそれぞれ解説していきます。

基本的に発症日からカウントする

B型肝炎における排斥期間は、例えば「慢性肝炎」の患者の方は発症した日から20年間はB型肝炎給付金を請求できる権利があります。
基本的にB型肝炎に発症した日が起算日になるため、すでに「慢性肝炎」「肝硬変」などの症状を持っている方は排斥期間になる可能性は低いと言えるでしょう。
しかし、B型肝炎ウィルスに感染しているにも関わらず、「発症」していない人の場合はどうなるのでしょうか?

「無症候性キャリア」の場合

無症候性キャリアは、B型肝炎ウィルスに感染しているが、具体的な症状が出ていない(発症していない)人のことをいいます。
乳幼児期に母親から感染して、体内にB型肝炎ウィルスが潜伏している状態のため、自覚症状がないことが多いようです。
しかし年齢を重ねるごとに、肝炎を急に発症したり、慢性肝炎、肝硬変、肝がんなどへと進行する危険性があります。
そのため「無症候性キャリア」は発症しているかいないかで、排斥期間が変化します。

無症候性キャリアで発症していない
昔の予防接種日からカウントするため、多くの人は消滅している場合が多いです。

無症候性キャリアだったが肝炎などに発症した
肝炎などに発症した人は発症した日から20年のカウントとなります。

排斥期間が過ぎても訴訟は可能?

実は除斥期間を経過しても、B型肝炎訴訟は起こすことは可能です。ただ、満額の給付金を受け取ることはできません。

除斥期間を経過した方の給付金額は決められています。
例えば、無症候性キャリアの方の場合、20年以内であれば600万円の給付金ですが、除斥期間が経過した場合は50万に減額となります。
慢性B型肝炎で、20年以内であれば1250万円の給付金で、除斥期間が過ぎ現在でも慢性肝炎の症状が続いている場合は300万円、病状が治癒している場合は150万円となります。

排斥期間が過ぎると、本来の金額よりも少なくなってしまうため、B型肝炎だと判った場合はできるだけ早く行動することが重要となってきます。